旅の要素

正月の移動のピークは過ぎただろうけれど、 

今日の空港は混んでいた。 


「旅にはどんな要素が必要だと思う?」 


騒然とした空港で、かなり前、とある旅行

代理店の社長から聞かれた質問を思い出した。  


vacationというくらいだから、 

自由が絶対必要ですねー、と、 

いつも通りの調子で答えたのだけど、 

その方は“旅を売っている方”なので、 

商業的な見地からの“正解”を教えてくれた。 


「食べること、見ること、寝ること、

旅の要素とは、この三つです。」 


ツアーのバリューとか、 

そういうものであれば、そうだろうなぁ。 

でも、わたしにとっての旅は必ずしもそうではない、と感じる。 



“余計なものがまったく何もないのが、理想。” 


旅にそうしたことを求めるひとは、 

少なくないのだと思うのだけど、どうだろう? 


実際、電話もテレビもなくて、波の音だけが

聞こえるのが取り柄、という高級リゾートが

あるということは、そういうことに違いない。 


“何があるか”ではなく“何がないか” という、

“削ぎ落とした贅沢”


普段の“喧騒を離れる”ことが、多くのひとに

とっての贅沢であり、憧れであることがわかる。 



でも、と思う。 


やっぱり、清潔で心地いい宿は、必要だ。 

アレルギーにも、感染症にもなりたくないし。 


それに、と思う。 


食事はごちゃごちゃはいらないから、その地方

の本当に美味しいものをいただきたいものだ。 

特に、海産物とか、野菜とか、土地のフレッシュなものがいい。 


ということは、やはり旅行代理店の社長は

あながち間違っていないということか(プロですってば。) 


ただ、旅を“発見”とか、“新体験をするもの”

と位置付けるなら、また違ってくるはずだ。 


いつも通る羽田空港や成田空港であれば、 

“目をつぶって”とまでは言わないけれど、

なんの緊張感もなく、ほとんど惰性で帰れて

しまう。“発見”や“新体験”はまるでナシ。 


今日初めて行った空港(札幌から軽井沢に帰る

のに、北陸地方の空港を移動通過のため)では 

レイアウトがわからないからキョロキョロ

したり(つまり、生存本能的行動)、

さらなる移動のためにバスに乗ってからは、

街の様子、特に、看板とか、建物とか、文化が

わかりそうなものを興味深く目で追っていた。 


“新鮮”な“新体験”は通過するだけでも、

体験できる。それも、立派な“旅の魅力”ではないか。


 

しかし、思わぬところに、

もうひとつの気づきはあった。 


バスを降りてすぐにJR新幹線乗り場を目指し

たわたしに対して、3歳児の娘はすぐ目の前の

駅前ビルにある行政の「子どもセンター」の看

板を見つけ、そこに行きたい!と交渉を始めた。


待ち時間があったので娘は30分あそびを満喫

することができたのだが、かなりのハイスタン

ダードな施設に、わたしも驚き、娘は大満足。

今日の”旅”のなかで、いちばんの収穫だった。


 “狩猟民族的なめざとさ”は、

子どもや純粋な興味を持っているひとには、

かなわないって、ことです。 


今日も人生の扉を開いて出会ってくださり、ありがとうございます。 

富山の白魚天ぷら丼も、ハンパなく美味しかったです。 

Mika Nakano Official Blog

軽井沢から、ライフ・文化・自己実現・現実化・コーチング・ピープルビジネスのエッセイをお届けしています。

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