Teenagers go to town


思春期の子を街に行かせて、ロクなことはない。 


そう思うけど、冬休みになったし、 

夫もわたしも仕事で手が離せない。 


「どうして行っちゃダメなの?」 と聞かれ、

“わたしがあなたの歳で街に行って

ロクなことをしなかったから”とは言えず、 

帰る時間を約束して、お小遣いを渡した。 


どうして世の中はこうも商業主義なのか? 

買い食いなんか、当たり前だよね。 


それで、欲しいものが、たっくさんあって、 

でもお金がこれっぽっちしかなかったら、 

残念だったり、悔しかったりするだろう。 


もしかしたら、悪いことを考えるかもしれない。 

考えるだけならまだしも、もし出来心で・・・ 


果てしなく続く、想像の世界。 


ああ、嫌だ嫌だ、もう考えないでおこう。 

仕事に意識を集中させた。 


下の子の迎えを急ぎながら、時計を見る。 

約束の5時を過ぎたけど、帰ってこない。 


ほら、やっぱり!

家を出てから6時間もあったのに、

 一体、何をしていてバスを逃したのだろう? 


車を運転しながら、どう言ってやるといいだろう、と思案する。 

家に着くと車の音を聞きつけ、次女が出て来た。 


さて・・・ 苦言を吐こうか、そう思った瞬間、 次女がにこやかに言った。 


「ねえ、お土産、たくさんあるよ!」 

 

え、お土産? 


「自分たちのものはひとつも買わなかったんだ。バカだよねー。」 


事情が飲み込めず、数秒かかった。 


そうか。 

悪いことをして来たから、

罪滅ぼしで、なにやら買って来たに違いない。 

飲みすぎた親父がお土産を買ってくるように。 


“うがった考え”を持ちながら部屋に入ると、

そこにはテーブルに広げられた数々の袋が。 


「これ、いくらだったと思う?クリスマスが終わったから、99円だったんだよ!」 


「ママ、浴槽剤好きでしょう?なんと、これは、300円!安くない?」 


「もう、何を見ても、“あ、これ、妹にいいなぁ”って、思っちゃって。」 


お昼は何を食べたの?と聞くと、 ローソンでおにぎり買って食べた、という。 


「ママからもらったお小遣いで、スタバでフラペーチノを飲んだよ、ありがとう!」 


ありがたいのは、こっちだよ。 

それなのに、わたしは・・・ 


涙が出たのを気づかれないよう、 

わたしは皿洗いに忙しいふりをした。 



”幸せ”であることと、”楽”であることは、

必ずしもイコールではない。


楽ではなかったけど、

わたしは、いま、幸せだ。


そう思ったところで、今年が終わる。



今年の最後にも人生の扉を開いて出会ってくださり、ありがとうございます。 

寝る前、娘らにお礼とハグとチューをしたら、躍りながら階段を上がってった。  


Mika Nakano Official Blog

軽井沢から、ライフ・文化・自己実現・現実化・コーチング・ピープルビジネスのエッセイをお届けしています。

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