元々持っている力を発揮できるひと

“エンパワメント”という言葉と共に歩んで、13年の月日が経ちます。 


今のわたしの会社の名前は株式会社ライフ・アンド・シード(“人生と一粒の種”という意味です。)といいますが、わたしがいちばん最初に立ち上げたコーチングの会社は「有限会社エンパワメント・コーチ」という名前でした。それ以来ずっと、わたしがする仕事はどれも全て“エンパワメント”に関連することがらです。 


エンパワメントとは、「ひとが元々持っている力を目覚めさせている」状態のことです。よく「ひとをエンパワーする」とか「他者をエンパワーしたい」ということを言ってらっしゃるのを聞くことがありますが、わたしにとっては違和感があります。なぜならエンパワメントの意味は「ひとが元々持っている力を、自らが行使する許可を与える」ということだからです。 「ひとは他のひとをエンパワーすることはできない、ひとがエンパワーできるのは自分だけ。自らが自分の元々持っている力を“行使する許可”を与えることのみによって、エンパワメントは起こる」というニュアンスです。 


ひとに影響を与えること(特に好ましい影響であれば)は、個人的な成功や幸せよりも、崇高なこととして認められているようなところがあるような気がします。そういうことは、“人々に勇気を与えた”とか“見る人に感動を与えた”という言い方をされたりします。 でも、実際は感動したのも、勇気を思い出したのも、そのひとたち本人です。影響を与えたひとというのは、ひとびとの元々持っている“勇気”や“感動する心”に、インスピレーションを与えた、ということではありますが。 


昨日は、ザ・ライフアカデミーの授業をしていました。授業のあと、ある卒業生の方から電話が入りました。彼が卒業後に立ち上げた福祉法人が、今回、厚生労働省の賞を受賞したとのこと。それも、キャノンといった誰もが知っているような会社と並んで「従業員の自律的なキャリア形成(職業生活設計・働き方の実現)を支援するための取組を行っている企業や法人」と認められての受賞だということです。 


彼は当時から福祉に対して並々ならぬ情熱を持っていました。福祉に対する彼の思いはいつも熱く、絶えることはなく、まさに“ビジョンに生きるひと”でした。彼は、大阪から当時わたしの主催する札幌のスクールにまで通ってきていました。 


福祉法人を立ち上げることから始まり、この10年、何度も厳しい状況に直面したと彼は言います。そして、その度に幾度もスクールでの教えを思い出し、テキストを開いて苦境を脱してきたのだ、と。 


彼はわたしに卒業後、そのようにいつも感謝の気持ちを表してくれていたのですが、誰もが見て明らかなのは、その賞を取るに至ったのは、エンパワメントという意味をわかって、それを日々の仕事で実行した彼や彼の仲間の功績だということです。 



ひとは本来持って生まれた才能や力を発揮したいと、潜在的に思っているものです。ただ、いろいろな理由で、それを表現できないでいることが多い。そして、その扉の鍵を開けることができるのは、その本人だけ。 わたしが好きでこだわってきた“エンパワメント”という言葉は、その鍵のありかや、開け方を思い出してもらう、ということなんだなぁ、と、ふと思ったりしました。 


今日も人生の扉を開いて出会ってくださり、ありがとうございます。 

リアルなエンパワメントストーリーは、確かに他者のエンパワメントに貢献する。  

Mika Nakano Official Blog

軽井沢から、ライフ・文化・自己実現・現実化・コーチング・ピープルビジネスのエッセイをお届けしています。

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